面接の質問事項をどうつくる?「ここを選びたい」と思わせることが必要

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面接での質問は、もちろん応募者の資質や自社との相性をチェックするためのものです。緊張のせいで実力をアピールできずにいる人には手助けし、実力以上によく見せようとしている人は見破らなければいけません。同時に自社の良さをしっかりと伝え、応募者に「ぜひこの会社の一員となりたい」と思わせる工夫をしたいものです。

一般的な面接の進め方と定番の質問事項

面接での質問や話は、

  1. あいさつ/ごく軽い雑談
  2. 職務経歴
  3. 志望理由
  4. 会社への印象/評価
  5. 希望の配属部署/職種

といった順で進めます。

(1)の「あいさつ/ごく軽い雑談」のことを、「アイスブレイク(Ice Break)」と呼ぶことがあります。「場所はすぐにわかりましたか?」「外は暑かったですか?」といった答えるのに困らないような話で、気分をほぐすことが目的です。

(2)の「職務経歴」は途中採用の場合に聞きます。新卒の場合はもちろん、第二新卒や既卒でも卒業後間もないのならば、学生時代の専門分野や生活の様子を尋ねてもいいでしょう。

(3)以降の具体的な言葉としては、「弊社を志望した理由を教えてください」「ご自身の長所と短所を教えてください」「学生時代に真剣に取り組んだことはありますか?」などです。

「あまりに定番すぎる」「同じことを履歴書にも書かせている」といった理由で省略する場合もあるかもしれません。しかし、応募者側は「あって当然の質問をされないのは、採用の可能性がないからだ」と不安になる場合があります。併願している他社に流れてしまう可能性が高まるかもしれません。質問の省略をする際は、慎重になるほうがいいでしょう。

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一風変わった質問事項・ありえない質問事項はなぜ必要か

定番の質問に対しては応募者側ではシミュレーションし、回答を用意しているでしょう。これでは臨機応変さをチェックすることができません。そこで必要になるのが、応募者側からすると「まさか」と思うような質問です。

代表的な質問では「あなたをすしネタに例えると、なんですか」があります。しかし、あまりに有名になりすぎているので、応募者は似たような問題に対する回答をすでに用意しているかもしれません。

柔軟な考え方の社員を必要としている企業は、応募者にとって予想外となる質問を工夫して作りたいところです。

面接ではしてはいけない質問事項もある

「何を質問するか」だけではなく「何を質問してはいけないか」も重要です。家族構成・思想信条・宗教などに関する質問はNGです。これらは厚生労働省からも「就職差別に当たるので避けるように」と繰り返し通達が出ています。とはいえ、現実の面接では質問してしまいがちで、応募者の側でも就職差別に当たると気が付かないことが多いかもしれません。

しかし、応募者のなかには「コンプライアンスの低い会社」と判断して次の面接には来なかったり、内定を辞退したりする人もいるでしょう。これでは「会社組織や社会への理解の深い人は他社へ逃し、理解の浅い人を採用する」といったことになりかねません。

人事・採用の担当者が承知しておくのはもちろん、面接官になる社員・役員らに「どういった質問が就職差別になるのか」を事前に周知させておきましょう。

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面接を進めるときの注意

事前に決めておくことは?

「質問事項は臨機応変にその場で考えるか、あるいは事前に決めておくか」「決めておくのならば、その質問事項で応募者の資質の何を判断するのか」はしっかり考えておきましょう。また、「質問が全部終わったことはだれが決め、ほかの面接官にどう合図するのか」も大事です。でないと、「もっと聞きたいと思っていた面接官もいるのに、さっさと帰してしまった」といったことも起きかねません。

大事な追加の質問「なぜ?」「具体的には?」は欠かせない

応募者は、高い評価をしてもらおうと、話を大げさにしがちです。ウソをつくことさえ珍しくありません。これを見破るのに必要なのが、「なぜそうできたのですか?」「具体的にはどういった方法にしたのですか?」といった追加の質問です。

どんどん話の内容を深めていくにつれ、面接用に作り上げた話は、答えに困るようになったり前後で話が矛盾したりしてきます。逆に、うまく答えられた応募者には、「面接の手ごたえがあった」と採用の可能性を実感させることができます。

自社を選んでもらうには、面接官からの共感の言葉が必要

「企業と応募者の相性が大事」であることは、企業側にも応募者側にとっても常識です。しかし、「その相性をどこで判断するか」はいまひとつあいまいです。もし、面接の場で応募者に「この会社は自分と相性がいい」と思ってもらいたいのならば、受け答えのなかでできる工夫があります。

満足のいった回答には、「○○が得意ということですね。それは素晴らしい」「あなたの性格は当社の掲げるに○○に合っているかもしれない」といった称賛や共感の言葉で返すのです。

応募者に相性がいいと思ってもらうことで、応募先数社のなかでの優先順位を上げさせたり、まだ迷っている場合には入社へと傾けさせたりすることができます。

企業側は応募者からチェックされていることを忘れない

「面接は応募者を選ぶためだけのものではなく、応募者側からも会社を選ぶ場でもある」というのはもはや常識です。

質問事項も「応募者がどう受け止めるか」を意識して考えるようにしましょう。面接の最初にアイスブレイクが欠かせないのも、応募者をリラックスさせしっかりと能力をアピールしてもらうためです。こういった姿勢は応募者にも伝わり、会社への評価を上げます。

応募者は「採用されるかどうか」「内定をもらったところで本当にこの会社でいいか」といった不安な気持ちで面接に臨んでいます。面接官のうちの1人が、ほんの一言不用意なことを口にしただけでも、採用したかった人を逃してしまうかもしれません。

社内の意思統一が必要で、そのためのキーマンは人事・採用担当者です。一次面接を担当する若手・中堅社員から最終面接をする経営陣、さらにいえば会社説明会・社内見学で応募者と接する社員まで十分な根回しをしておきましょう。

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