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20代はなぜ退職するのか。企業が考えるべきこと

日本独特の終身雇用制が崩れ始めており、特に若い世代の転職に対する抵抗がなくなっています。少子化が進んで20代の雇用確保がますます困難になる中、20代を自社に引き止めて育成する重要性が増してきました。そこで20代がなぜ転職に走るのかを見直し、それに対して企業ができることをまとめてみました。

20代の退職事情

厚生労働省の「平成27年雇用動向調査結果の概況」(PDF)」によると、平成27年に退職した正社員は約428万人で、労働者全体の11.8%となっています。産業別では、宿泊・飲食サービス業が28.6%で最も多く、比較的少ないのは金融業・保険業の8.7%、複合サービス事業の8.1%です。年齢別では20〜24歳が男女平均27%、25〜29歳が19.7%と、60歳以上を除く30歳以上のどの年代よりも多くなっています。女性の場合、結婚や出産・育児による退職率は20〜29歳で平均1.2%とそれほど高くなく、別の理由が多いのが現状です。

20〜29歳の転職者が前職を辞めた理由としては、労働時間や休日などの労働条件が悪かった(16.7%)、給与が少ない(11.6%)が多くなっていますが、ほかの年代と比較して比率が多いのは「仕事の内容に興味を持てなかった」で8.3%となっています。

昨今は年齢を問わず転職者が増えていますが、20代の退職者が多い理由としては、「辞めるなら20代のうちに」と思い切りが良いことも挙げられるでしょう。

20代が会社を辞める理由

退職の理由には、表向きの理由と本当の理由があります。統計に表れる表向きの理由の比率は正確ではないかもしれませんが、20代が会社を辞める理由自体は表向きも本音も同じで、大きく以下の3つに分けられます。

残業や給与などの労働条件

残業が多いことが最も多い理由と言えます。例えば残業は1時間程度と聞いていたのに、実際は毎日夜遅くまであるといったものです。20代はまだキャリアはないことは自覚していますから、額面の給与額には不満はなくても、「これだけ働いているのにこれだけしかもらえない」という不満が大きいようです。学生時代に時給でアルバイトをしているため、働いた時間と得られる収入の比較が短絡になりがちといえます。

また、20代の転職者からは、飲み会などに付き合わされたり休日の付き合いもあるなど、プライベートの時間が確保できないという不満もよくきかれます。

仕事のモチベーション

会社に入ってから自分が本当にやりたい仕事ではなかったことがわかった、せっかく取った資格が生かせない、といった理由です。建前に近い部分もありますが、本音のところでは、仕事を教えてくれない、指示を出してくれないといった不満で辞める20代も多いようです。一見仕事に対する取り組みが受身のようにも思われますが、裏を返せば、教育してもらう意欲が高い、つまり教育すれば効果も期待できるということにもなります。

人間関係

20代に限らず転職者の本音の理由で多いものですが、20代の場合は、人間関係がうまくいかない職場で長く勤めていく自信をなくして辞める道を選ぶ、という場合が多いようです。協調性があるという採用基準をクリアした人材でも、単に相性の良し悪しで人間関係がうまくいかなくなることもあれば、自分自身に非はなくてもパワハラやセクハラの犠牲になってしまうこともあります。

20代の退職を防ぐために企業が注意すること

上記の大きく分けた3つの理由をふまえ、20代の退職を防ぐためには、企業としては何に注意し、どのような対策をたてれば良いのでしょうか。入社後1~3年で辞めてしまう20代前半の退職防止にあたっては、入社前のイメージと入社後の現実とのギャップによる退職防止のため、入社前の採用プロセスから検討すべきポイントもあります。

労働条件

  • 無意味な残業の廃止は、もはや時代の流れとして必至となっています。若い世代のワークスタイルは欧米型に近づいており、ライフワークバランスとプライベートを尊重する企業文化にしていくことが必要。
  • 入社前の面接での印象や理解と実際とのギャップを感じないように、可能であればインターン入社(体験入社)を実施する。
  • 先輩社員とカジュアルな場で会話できる場を設け、会社の実態が事前に理解できるようにする。

仕事のモチベーション

  • OJTだけでなく系統だった社内研修制度も充実させ、モチベーションをあげる。
  • 社内でのキャリアアップがイメージできるように、長期的な職務や職種の可能性を入社時に説明する。

人間関係

  • 採用面接は通常人事部が行うが、配属される部署の上司を同席させて、お互いフィーリング的に合うかどうかだけでも事前に確認できるようにする。
  • 現在勤めている社員に対し、パワハラ・セクハラ予防セミナーを定期的に実施して意識づけを行う。

20代の退職をふせぐ工夫を

20代は、世帯ももってなかなか転職にふみきれない30代以降と違って、「転職するなら今のうち」と比較的簡単に退職しがちです。そうした若い戦力をひきとめるためには、時代の流れに合わせた労働環境作りや、モチベーションを高める工夫が必要です。一見コストがかかる対策でも長期的に見てメリットあるものは、積極的に検討してはいかがでしょうか。