上司の誘いはハラスメント?若手を食事に誘うポイントとは
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自分の部署に新人や若手が配属されると、人となりを知るために食事などの場で雑談をしたくなるもの。しかし場合によって若手社員の精神的な負担になることもあります。では上司として後輩や部下を食事に誘う時にはどういった点に注意すればよいのでしょうか。
目次
上司に食事に誘われたときの若手社員の気持ちを考えてみよう
まず考え方として重要なのは「食事に誘われた若手社員の気持ちになる」という点です。上司からの誘いは、若手社員にとって負担になることもあります。食事の席で気を遣うことも多く、気が重いと感じる若手社員も多いのです。
また、自分が若手社員からどう思われているのか、畏怖されていないか、心理的な距離は食事に誘うほど近いのか。もちろん同じ会社の社員であり上司と部下、先輩と後輩という共通点はありますが、それでもいきなり声をかけて不自然ではないか、相手には負担にならないのかなど相手の立場になって考えることが重要です。
若手社員が忙しそうな時や予定がありそうな時に無理に誘うのも、相手にとって大きな負担になります。できるだけ相手に心理的、時間的な余裕のある時を選びましょう。
もちろん上司が若手を食事に誘うメリットもある
一方で、上司が若手社員を食事に誘うことには、もちろん良い側面もあります。食事の場、休憩時間であれば無理に仕事の話をする必要もありません。上司と部下という立場を忘れ、人生の先輩後輩というスタンスで接することができ、雑談をして相手の人となりを知ることができます。
そんな場としては、就業後の夕食よりも昼食時のほうが気軽に誘いやすく、相手も応じやすいです。仕事の話や会社の先輩としての話をするのではなく、世間話などで心理的な距離を縮めましょう。その機会として会社の昼休み、昼食時は丁度良い場なのです。
上司が部下を円滑に昼食に誘うにはどうしたらよいか
部下や若手の負担にならないようにするためには、円滑な食事への誘い方を考えなくてはいけません。ではどのような誘い方であれば、若手社員もついてきやすくなるでしょうか。
自然なきっかけづくりを心がける
まずは、自然な流れを意識して食事に誘いたいものです。タイミングとしては、プロジェクトチームが立ち上がったときに決起の意味を込めた食事、配属された記念の食事、誰かの誕生日などでもよいでしょう。
さらに配属されて1ヶ月が経ったので、部署の感想を聞きたいと言って誘ったり、なにか悩みはないかと言って誘ったりするのもおすすめです。もちろん仕事とは無関係に「美味しい店があるから行ってみないか」といった些細な理由でもいいのです。
2人きりではなく複数人での食事に誘う
注意しなくてはいけないのは、相手の逃げ道を塞がないという点です。特にマンツーマンになることは避けましょう。1対1だと若手社員は萎縮しやすくなりますし、会話が途切れて重苦しい雰囲気になることもあるでしょう。
そうならないためには、一人だけを誘うのではなく、複数人で食事に行くようにして、若手が「常に自分に注目が集まっていて息苦しい」と感じることのないように気をつけましょう。
上司が部下を食事に誘う時に注意すべきポイントは?
若手社員はまだ会社に慣れておらず、年や立場の離れた人間から誘いを受けると負担に感じる人も多いもの。自分たちの世代は「上から誘われたらついていくのが当たり前だった」などの先入観や偏見を持たずに、若手の考え方を汲み取った誘い方を心がけるようにしましょう。
いきなり当日に「今日食事に行かないか」など声をかけても、相手にも都合や用事もありますし、驚かれることもあります。できれば前日に「明日食事に行かないか?」など言っておけば、円滑に誘えます。
セクハラやパワハラと勘違いされないように注意する
NGなのは、断られているのに何度も誘うことです。これは上司という立場を利用したパワハラとも捉えられかねません。また男性上司が若手の女子社員を何度も食事に誘えば、セクハラと捉えられることもあります。
自分自身にそんな意図がなくても、セクハラやパワハラは受け取る側の考え方や感じ方が尊重されるものです。相手が迷惑そうに感じているのであれば無理に誘うのは止めて、他のコミュニケーション手段を考えましょう。
「誘われる側の気持ち」になって誘い方を考える
個人の意志が尊重されるようになった今、上司だからといって若手をコントロールできると思いこんではいけません。さらに年齢や立場が離れているほど、若手社員にとっては萎縮する場にもなってしまいます。
相手の捉え方を考えて、心理的な負担をかけないように食事に誘えば、パワハラやセクハラと言われることもなくなるでしょう。社内での立場の違いから気を遣わせたり萎縮してしまうこともあるので、なるべくリラックスさせてあげるような上司側の配慮も必要です。