リファラル採用や社員紹介制度は、売り手市場の救世主になるか?そのメリットと注意点

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いま、急速に注目されつつあるリファラル採用。米国ではすでに、Googleをはじめ有名企業の多くがリファラル採用を取り入れ、大きな成果を上げています。日本でも2015年ごろから、外資系企業、ベンチャー企業を中心にリファラル採用の成功例が紹介されるようになりました。リファラル採用とは何か?そのメリットや実施時の注意点をご紹介します。

リファラル採用とはどのような手法か?

リファラル採用とは、社員の人脈を介して優秀なスキルを持つ人材を獲得する手法です。能力不足の人材獲得も含まれるイメージがある「コネ入社(縁故採用)」と違い、リファラル採用は企業から人材にアプローチを行う極めてポジティブな採用手法です。
優秀な社員の友人は、やはり優秀なことが多いものです。また、近年はSNSの普及により、多くの社員が学生時代の友人、前勤務先の同僚、趣味や専門分野を同じくする人など、さまざまな人的ネットワークを持っています。

その人脈を有効活用することができれば、企業は自社の求める優秀な人材を獲得できる可能性を高めることができます。リファラル採用は、人材紹介会社、転職サイトに続く、有力な採用チャネルだといえるでしょう。

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リファラル採用のメリット

リファラル採用のメリットのひとつは採用コストの低さです。採用に成功した際、企業が人材を紹介してくれた社員に支払う報酬は10~30万円が一般的であり、人材紹介会社や転職サイトを利用するよりはるかに低コストです。また、リファラル採用で入社した社員は、実際に働いている社員の説明を受けているため、社風とのミスマッが少なく、定着率が良い傾向があります。友人が会社にいることで、新しい環境になじみやすく、モチベーションが維持しやすいのです。いわば、紹介した社員が自然にメンターの役割を果たしてくれるわけです。

そして、最も大きなメリットは、転職を考えていない優秀な層にもアプローチできる点です。企業の大小問わず、エース級の社員や、仕事に大きなやりがいを感じている社員は転職を考えず、人材紹介会社や転職サイトに登録していないことがあります。リファラル採用は、そのような人材を発掘する手法でもあります。

リファラル採用を成功させるコツ

日本でも、昔から「社員紹介制度」を設けている企業は多々あります。しかし、社内文書や掲示板で、募集要項、紹介報酬を告知しただけで終わっているケースがほとんどだといえるでしょう。社員は、公示されている情報を見ただけでは、まず積極的になりません。そもそも、日本では報酬目当てで友人に声をかける社員は少ないため、報酬金額の高さ=モチベーションの高さという公式も成り立ちません。

リファラル採用を成功させるためには、人事がその意義を社内に発信していく必要があります。社員が「一緒に働きたい人を自分で見つけてもよい」、「優秀な人材を紹介することは会社への貢献になる」と認識することが大事です。全社的な協力が得られるのであれば、人材を各部門からピックアップしプロジェクトチームを作ることも有効です。この場合も、一般的な部署横断プロジェクトチームと同様、参加した社員が人事評価面で多少プラスに評価されるような仕組みがあると、良い結果が出やすいでしょう。

リファラル採用で注意すべきこと

リファラル採用は、社員のプライベートに踏み込む面があります。社員が紹介してくれた友人や知人は、その社員にとって大切な存在です。採用の有無にかかわらず、人事側は、社員の人間関係にマイナスな影響を与えないように配慮する必要があります。面接時の対応、採用に至らなかった場合の伝え方は十分気をつけましょう。また、社員は人事のプロではないため、推薦された人材の転職希望度合いには温度差があります。最初のステップとして、業界の勉強会や説明会など気軽に交流できる場を設けるのもよいでしょう。面接ではないため、「選別する」という印象が起きず、双方にとってプラスです。また、社員も友人に声をかけやすくなります。

採用が成功した後も、友人を紹介してくれた社員には、タイミングを見て「君の紹介で入ったA君は優秀だね」「A君は頑張っているよ」など、ポジティブなフィードバックを行うことが大事です。会社や友人に感謝されることで、紹介した社員も満足感を得ることができ、リファラル採用に協力する気持ちを維持できるのです。

リファラル採用で優秀な人材を採用しよう

2018年に突入し、採用市場は“超売り手市場”といわれる厳しい状況が続いています。リファラル採用は、採用コストも低く、定着率もよく、採用対象者の母集団を増やすことができる魅力的な手法です。しかし、人事部門以外の社員の協力を仰ぐという点で、注意すべき点も多々あります。リファラル採用を成功させるためには、まず、協力してくれる社員のモチベーションを高める仕組みを構築することが何よりも大切です。既存社員とのコミュニケ―ションを大切にしながらリファラル採用に取り組み、優秀な人材を採用しましょう。

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